空撮のために必要なドローンの操縦技術を学ぼう!
どうもDRONE WALKER(ドローン ウォーカー)編集長の吉武です。
今回は、そこからさらにいろんなドローンの操縦方法を学んでいきましょう!
この記事の目次
今回学ぶドローンの操縦技術内容
- 前進
- 後進
- 横移動
- 俯瞰上昇
- 俯瞰前進
- 固定
- 上昇
- 下降
- パン(回転)
- 斜め移動
- 円移動
- 前進+上昇
- 後進+上昇
- 下降+チルトアップ
- 上昇+チルトダウン
- 低空飛行
- 対象物通過
- 前進+上昇+障害物
- リヴィールショット
実はひとつひとつの動きはそこまで難しくありません。
プロポの動きなどと合わせて紹介していきます。
プロポ(モード2)の動きを確認
『エレベーター』はドローンの前進、後進を行うことができます。
『エルロン』とはドローンの水平移動
『ラダー』はドローンの回転運動、向きを変えるために行います。
『スロットル』はドローンの上昇・下降を行うことができます。
上記の写真はDJIの推奨する「モード2」のプロポ操作になり、以下の操作項目もモード2で示してあります。
ロケーションは大まかに3シチュエーション
各操縦技術ごとに、おおまかに「海」「山」「人工物」の3つのロケーションを撮影してあります。
みなさんが撮影したいロケーションごとへ少しはインスピレーションが沸くのではないかと思います。
ではひとつずつその動きを確認していきましょう!
1:前進
最もベーシックな動きになります。
一つの被写体を捉えて前進してもいいし、風景全体を収めながらの撮影もオッケーです。
いずれにしてもスタートと終わりの構図をイメージしながら撮影するとよいでしょう。
プロポの操作|前エレベーター
2:後進
こちらも前進と基本の動きですね。
後進、すなわち引く動きによって、被写体だけでなくその周りの風景も写り込むようにするとかなりいい映像を撮影することができます。
プロポの操作|後エレベーター
3:横移動(エルロン)
並列している木々や橋などを撮影するのに役に立ちます。
動きそのものはシンプルですが、被写体からの距離感によっても見え方が変わってきますね。
至近距離や遠距離などいろんなアングルから撮影すると面白いです。
プロポの操作|左エルロン
4:俯瞰上昇
これぞドローンの真骨頂ですね。
これだけ低空から真下アングルで撮影できるのは、ドローン以外にはありえません。
操縦も指先一つで素晴らしい映像を撮影できます。
はじめにどのポイントからスタートして、最後にどんな風景を収めたいのか?
スタートとゴールの風景をあらかじめイメージしながら撮影しましょう!
プロポの操作|上スロットル
5:俯瞰前進
今度は俯瞰した状態で前進します。
橋や道路、海岸線など一直線に続くものを撮影することに向いております。
途中で別の被写体などが写り込むようにすると変化があって面白いかもしれません。
プロポの操作|前エレベーター
6:固定+タイムラプラス
あえてドローンを動かさずに固定して撮影すること。
道路を移動する車や川の流れ、雲の動きなどを撮影することに向いております。
のちに動画編集をするとき、動きを早める「タイムラプラス」などの編集を加えると面白い映像になります。
7:上昇
プロポの操作|上スロットル
8:下降
上昇と下降も基本の動きになります。
上昇しながら被写体を捉え、その先に新しい景色が広がったり、近接した状態から被写体を撮影できるのもドローンならではの魅力ですね。
プロポの操作|下スロットル
9:パン(その場回転)
高度と構図を決めたら、ドローンをその場でラダー運動をします。
プロポの操作|左ラダー
10:斜め移動
ここからは2方向同時の動きが入ってきます。
動きはエルロンと後ろエレベーターを組み合わせながらの操縦になります。
プロポの操作|左エルロン+後エレベーター
11:前進+上昇
前進しながら上昇することで、さらにダイナミックにロケーションを撮影することができます。
プロポの操作|前エレベーター+上スロットル
12:後進+上昇
こちらもさまざまな空撮動画で活用されている代表的な撮影方法です。
引きの動きから最後に被写体の全貌を捉える動きはまさに圧巻です。
集合写真などを映像として収めるのに最適です。
後進+上昇しながらも、はじめに決めた被写体にカメラのピントを常に合わせられるようにするとなおいいです。
プロポの操作|上昇+後エレベーター
13:円移動
この円移動は慣れないうちはすぐに動作がブレてしまいます。
被写体を中心にゆっくり回転しながら撮影することで躍動感のある映像を撮影できます。
人物を撮影するときは「アクティブトラック」などの機能を使うと簡単に完璧な円移動で撮影できますが、すべてのロケーションに応用できるわけではないので、ぜひ操縦に熟達する上でも自分自身でこの円移動の動きをできるように練習しましょう。
プロポの操作|右エルロン+左ラダー
円の動きをすることそのものは難しくありませんが、上記の操作を行いながらカメラを対象からブラさないようにする操縦は訓練が必要になります。
14:下降+チルトアップ
今度はドローンを下降させながら、カメラを下から上へ移動させて被写体を捉えていきます。
風景全体を収めながら、最後は一つの被写体にフォーカスしていく感じです。
上昇+チルトダウン
こちらはドローンを上昇させながら、カメラの角度を下に変化させております。
木や橋など被写体を追いかけ続けるのに有効な撮影方法です。
先ほどの逆バージョンですね。
ドローンの下降と同時に対象となる被写体の正面図を明らかにすること。
さらにその被写体と周囲の景観を綺麗に撮影することがポイントになります。
俯瞰移動+チルトアップ
こちらは以前にもお伝えしましたが、スタートとゴールの構図に大きなギャップを生み出すことでより魅力的な撮影をおこなうことができます。
15:低空飛行
水面や狙った被写体のスレスレを飛行させます。
被写体に近ければ近いほど、ダイナミックな映像が撮影できますが、そのぶん接触や水没などの危険度は高くなります。
16:対象物通過
木々や岩の間、場合によっては雲など障害物や対象物を通過しながら撮影していきます。
構図としては景色全体を収めているのですが、その途中でいろいろな障害物などに近づくことで映像そのものに緊迫感が生まれ、見る人を魅了することができます。
障害物などに近づけば近づくほど、よりダイナミックな映像になりますが、当然撮影の難易度は上がります。
そこまで近づかなくても意外といい映像になりますので、操縦に慣れないうちは安全な距離を保って操縦するようにしましょう。
障害物通過とは!?
映像の編集がところどころ失敗してますが、あまり気にしないでください(^_^;)
文字通り、木々や岩の間をドローンで通り抜けていく様子を撮影することです。
普通に撮影してもそれなりに迫力のある映像を撮影することができるのがドローンの魅力ですが、それ一辺倒ではどうしても映像にバリエーションが増えません。
視聴者を一瞬でも「ドキッ!」とさせるような演出するには、障害物の通過などの映像を挟み込むと一気に迫力が加わります。
前回ご紹介したスタートとゴールの2転換の構図にギャップをつけることも工夫のひとつですね。
注意点|リスクと魅力の悪魔の薬
当然ですが、通過する対象物に対してドローンが近づけば近づくほど、迫力のある映像を撮影することができます。
しかし、それは同時に接触のリスクを大きく高めてしまうことにも繋がります。
まさに諸刃の剣ですね。
恐ろしいことにドローンの操縦に慣れてくると自然と攻めの映像を撮影したくなるのが怖いところです。
スリルを求め始めるんですよね(^_^;)
本当に「安全第一」を心に肝に命じておきたいですね
17:前進+上昇+障害物通過
最後にご紹介するのは、3つの条件を組み合わせての操縦です。
このように上記の動きをそれぞれ組み合わせることでドローンの操縦方法はどんどん増えていきます。
※まだ紹介できていない撮影方法については、追記していきます。
初心者と中上級者はズバリ何が違うのか?
いろんなロケーションや環境において、そのロケーションの魅力が引き立つアングルを即座に見極め、無駄のない撮影ができるようになることです。
もちろんドローンを自由自在に操る技術も必要です。
https://drone-aerial-corps.com/2016/07/11/training-method/
しかし、それ以上に重要なことは、各ロケーションごとにおいてどんなアングルからどういう動きでドローンを撮影したらもっともそのロケーションの魅力が引き立つのか瞬時に判断し、無駄のない撮影ができるようになることです。
ドローンに慣れないうちは、操縦そのものだったり、そのロケーションをどう撮影していいのか、よくわからない状態でいたずらにドローンを飛ばすだけで終わってしまいます。
ドローンの動きそのものは上記で紹介した動きが中心(実は他にもあるのですが)になるので、基本の動きをしっかり押さえた上で、ロケーションごとに応じてどういう撮影方法を選択したらよいのか?
どういうアングル・構図から狙った方がよいのか?
などを見極められるようになることがとっても重要なのです。
その上で重要なことはやはり経験
その時々で風の強さ、雲の有無、晴れ、曇りなどの天候などに左右されたり、またドローンは今までの写真撮影と異なり、空からアプローチできるので今までになかったアングル、構図で撮影することができます。
別記事で紹介したドローンの基本操縦訓練ももちろん重要ですが、いろいろなロケーションでいろいろなアングルから撮影を繰り返すことで、どんどん自分が狙った構図や映像を撮影することができるようになります。
もちろん、はじめのうちは思うようにいかないことの方が多いものですが、積極的に経験を重ね、せっかく撮影した映像はどんどん編集してひとつの作品として生み出していきましょう!
編集作業の空撮スキルを高める上でも非常に重要な経験になります。
【上級者向け】1カット空撮
3分1カットの空撮映像になります。
この1カットでスタートからゴールまで構図にこだわって映像を撮影し続けること。
ドローンの動き・カメラの動きを滑らかにし続けることを意識して撮影します。
かなり難易度は高いので、ある程度熟練してから挑戦してみてください。
詳しいコツは以下の記事でまとめております。
【まとめ】空撮スキルが上達するルーティン
- ドローンの操縦の基礎を学ぶ
- 空撮する上で必要なドローンの動きを学ぶ
- どこでドローンを飛ばしていいか見極められるようになる
- ロケーションごとの魅力的な構図を学ぶ
- 動画編集を繰りかえす
これらのルーティンを繰り返していきながら、魅力的な空撮映像をドローンで撮影することができるようになります。