- 急な突風
- 向かい風が強くて離陸ポイントまで戻ってこれない
- 急降下によるセットリングウィズパワー
- 急な動きによるドローンの損傷による破損
- 木の枝など障害物との接触
- ドローン本体のバッテリー切れ
- 飛行中のバッテリー抜け
- プロポの電源切れにも注意
- 電波障害によるノーコン
- トンビなど鳥類との接触
どうもDRONE WALKER(ドローン ウォーカー)編集長の吉武穂高です。
今回はドローンの「墜落原因」についてご紹介します。
空を飛ぶドローンは便利さと同時に、常に重大な事故を引き起こす可能性を秘めています。
その最たるものが「ドローンの墜落」になります。
私自身もドローン墜落の経験者です。
空を飛ぶものである以上、『墜落』そのものを完全になくすことはできません。
今回は、その大前提に立ち、事前に「墜落原因をトラブルシューティング」をしておくことがとても大切になります。
ではドローンが墜落する6つの原因と現象を説明します。
この記事の目次
ドローンの墜落原因①|突風
「突風」によりドローンが墜落する危険性が原因があります。
突然の風に煽られて機体が大きく傾き、姿勢を制御することが困難になります。
またドローンの傾き角度が限界を超えると、ローターが停止してしまう可能性があります。
初心者は風速5m/s以上ではフライトを控えましょう。
上空と地上では風の流れは異なります。
そのため常に風速などに十分注意し、経験を詰むまではロケーションごとの地上と上空の風速、風の感覚をつかむことが困難ですので、風速5m以下くらいを目安にしましょう。
ドローンは風に流されるもの
DJI製品など機能的に優秀なドローンを使用していると、気がつきにくいです。
『ATTI(手動操縦)モード』にしてみると、実際のドローンは風の影響を非常に受けやすいと言えるでしょう。
https://drone-aerial-corps.com/2017/10/20/atti/
風速計の所持がおすすめ
価格も2000円程度で購入できます。
こちらは必需品ですので、ドローンのフライト時は携帯しておきましょう!
突風によるドローンの墜落動画
こちらの動画1分20秒くらいから、急な突風によりドローンの操縦が効かなくなり、墜落までの映像が納めてあります。
ドローンには、「姿勢制御角度」というものがあり、ドローン本体が一定以上傾いてしまうとコントロールを失う可能性があるというものです。
そのため、強風によりドローンが墜落する可能性はあります。
重量が軽いドローンにも注意が必要!
また機体重量の軽いドローンは持ち運びや携帯に便利ですが、その分、風にあおられやすい欠点があります。
Phantom・Mavic PRO(マビックプロ)・Inspire2(インスパイア2)など価格は違っても一見した機体性能やカメラ性能がそこまで差がないようなドローンがありますが、機体の重いドローンの方がその分、パワーもあり強風に対して安定した飛行をすることができます。
パワフルなインスパイア2のフライト
逆に大型のパワーが強いドローンは風などに対して強くなります。
同じドローンでも大きさと重量は種類によって異なります。
遠近感はありますが、Mavic PRO・Phantom4Pro・Inspire2の大きさの違いはこんな感じになります。
機体の大きさも重量もパワーも異なります。
Mavic PROはとても価格も安く、使い勝手も抜群ですが、風に弱いのが弱点です。
https://drone-aerial-corps.com/2017/03/18/tds/
ドローンの墜落原因②|急降下時
ドローンは構造上、上昇気流に弱いです。
そのため「降下時」とくに「急降下」しているときは不安定になり、バランスを崩しやすくなります。
また突風と同様に傾き角度が限界を超え、制御することが困難になります。
急降下に注意|セットリングウィズパワーとは?
セットリング・ウィズ・パワー は、ヘリコプターの飛行中に発生することがある危険な状態であり、ローターがボルテックス・リング・システムに巻き込まれたときに発生し、揚力が極めて減少する原因となる。
本質的には、ヘリコプターが自分自身のダウンウォッシュに落ち込むことである。
この状態になると、ローターのパワーを増やしても、ボルテックス(渦)の動きを増大させるだけで、揚力を増やすことが出来なくなる。(引用:Wikipediaより)
ちょっと難しいですね(⌒-⌒; )
一言でセットリングウィズパワーを説明するとドローンを急降下させているときに起こりやすく、一度起きてしまうと制御不能、墜落の危険が高く、回復させるまでにかなりの高度を消耗してしまうということです。
ドローンであれば150mまでなので、一度起きてしまうとほぼ墜落してしまうということになります。
DRONE WALKERでは、Phantom4を使用しているため、時にはリターントゥーホーム機能で自動帰還させるようにしています。
数年前のPhantom1・2辺りでは、機体を降下させる時、降下速度が高かったみたいですが、今ではそこまで急降下しないように設定がされているみたいです。
https://drone-aerial-corps.com/2016/07/01/phantom4-return-to-home/
ドローン墜落原因③|木の枝や建物など障害物に接触
木や建物に接触することで制御不能になります。
個人的な話ですが、初めてホビードローンを購入したときに、木にひっかかりました。
当然そのあとは木に登ってなんとか下ろすことが出来ました。
先にも述べましたが、機体重量の軽いホビードローンは風に流されやすいので、簡単に墜落します。
また木などの障害物にも接触しやすいので注意が必要です。
障害物との接触を防ぐために
ドローンで墜落原因が最も高い『障害物との接触』
ドローンをしっかりと目視し、木や枝など障害物がないか確認しよう。
距離感がつかめなくなったり、操縦を過信することで墜落を防ぐことができます。
ドローンの墜落原因④|バッテリー切れ
途中でバッテリーが切れると、当然制御不能になります。
ドローン本体とプロポ両方のバッテリーを確認し、時間に余裕のあるフライトを心がけましょう!
ちなみにphantom4の場合、バッテリー残量が30%いかになると自動的に帰還するリターントゥーホーム機能があります。
余裕があると思っていても、バッテリー残量が少なくなればなるほど急激に現象する傾向がありますので気をつけたほうが賢明です。(スマホのバッテリーもあと50%あると思っていても、急激に現象するケースってありますよね。それと近いイメージをしてもらえればよいかと思います。)
送信機(プロポ)のバッテリー切れにも注意
私自身もドローン本体のバッテリーは充電してきたのですが、プロポの充電忘れでフライトができなかったことがあります。
機体本体のバッテリーと比べると長持ちしますので、ついつい忘れがちになりますが、プロポの残量にも注意しましょう!
夏場はバッテリー管理に注意
真夏はすぐにバッテリー本体の温度が上昇してしまいます。
真夏にバッテリーをギリギリまで飛ばす運用をするとすぐに膨らんできてしまいますので、50%程度で交換して使うことをおすすめします。
ドローン墜落原因⑤|飛行中のバッテリー抜け
ドローンの機種によっては、しっかりとバッテリー差し込まなくても電源が入ってしまう場合があります。
半がみ状態だと、飛行中の反動などでバッテリーが外れてしまう可能性があります。
もしバッテリーが外れてしまうと、間違いなくドローンは墜落します。
私自身、実際にバッテリー抜けが原因で墜落する様子を見たことがあります。
空中で糸が切れたようにドローンは墜落しました。
バッテリーがしっかりと接続できているか確認しましょう!
https://drone-aerial-corps.com/2018/08/29/summer/
ドローン墜落原因⑥|電波障害
ドローンは送信機(プロポ)による電波から操縦を行っているため、そのリンクが切れてしまうと、コントロールすることが出来なくなってしまいます。
このことを通称ノーコンと言います。
電波とは電磁波のことです。
電磁波とは「電気」と「磁気」ふたつの性質を持っており、「波」が空気中に伝わります。
電波は「周波数」という数値で表され、HZ(ヘルツ)という単位で表されます。
そして通信用の周波数にはその空間で限られているため、同一空間で一つの周波数を使わなければなりません。
ドローンに当てはめると操縦に使用できる周波数も限られており、もし周波数のことなど気にせずに複数のドローンを飛ばしてしまうと電波が混ざり合ってしまう「混信」という状況を起こしかねません。
Phantom42台とMavic PRO2台を同時に飛ばした時の様子
上記は低空かつ安全な場所で実験的にドローンを4台同時に飛ばした時の様子になります。
この時も、すぐに「混信」したような状態になりました。
このように電波によって、制御不能といった事態に陥るリスクが出てきてしまうのです。
また鉄塔や橋梁など鉄・金属で出来た建築物の近くでドローンを飛ばすときも同様に電波が乱される可能性があります。
鉄塔などなどリスクがありそうな場所でドローンを飛ばす場合は、一度電波の受信状況を確認した方がよいと思います。
電波の受信状況のチェック方法
https://drone-aerial-corps.com/2017/04/24/nyuumonn/
これらのリスクを避けるにはできるだけ電波障害が起こりそうな場所から操縦するまた電磁波について正しい知識を持っておく必要があります。
ドローンの墜落原因⑦|トンビ(鳥類)に襲われる
最後にご紹介するのが『トンビやカラス』など鳥類に襲われる可能性です。
山岳部など縄張り意識が強い鳥類は、ドローンのことを非常に警戒します。
私自身も数多く経験がありますが、ドローンの周囲をトンビが飛び回り、時に襲いかかってこようとする場合があります。
まあはじめに縄張りを荒らしたのは私たち自身なのですが、ドローンを安全に飛行させるためにトンビなどの鳥類には気を配る必要があります。
操縦に慣れないうちは特に周囲のロケーションにも気を配れるよう配慮しましょう!
まとめ|ドローン墜落の原因は人的ミスがほとんど!
- 急な突風
- 向かい風が強くて離陸ポイントまで戻ってこれない
- 急降下によるセットリングウィズパワー
- 急な動きによるドローンの損傷による破損
- 木の枝など障害物との接触
- ドローン本体のバッテリー切れ
- プロポの電源切れにも注意
- 電波障害によるノーコン
- トンビなど鳥類との接触
ドローンの墜落原因をいくつか挙げましたが、ほとんどが上記が原因となって発生するものばかりです。
操縦しているドローンがまさか「墜落」なんて考えたくもありませんが、ドローンを操作する以上様々なリスクが伴います。
私自身も今でもヒヤッとする場面を経験します。
必ずフライトシュミレーションをし、どんな状況でも冷静に対処できるようにイメージしておきたいですね。
「墜落」する可能性がある以上、その可能性を1%でも減らすために、ドローンに関する知識と自由自在に操縦できるスキルを身につけて行きたいですね。
ドローンの操縦上達に役に立つ訓練方法はこちら
https://drone-aerial-corps.com/2016/07/11/training-method/
ドローン水没体験記|水没から復活までの軌跡
https://drone-aerial-corps.com/2016/10/17/phantom4-suibotsu/