どうもDRONE WALKER(ドローン ウォーカー)編集長の吉武穂高です。
今回はDJIの新型Mavic2シリーズの
『Mavic 2 ZOOM|マビック2ズーム』
にピックアップしてみたいと思います。
Mavicシリーズ・その他のドローンの比較記事に関しては、こちらのブログを参考にしてください。
どうしても同時に発売されたMavic2PROのカメラスペックと比較されがちですが、ドローンのズーム機能をフルに活用するとどんなことができるのか色々考えてみました。
実際に『Mavic2ZOOM』を使って空撮写真や映像を撮影してみましたので、参考になれば幸いです。
まずは基本性能から確認していきます。
なお今回『Mavic2ZOOM』は『株式会社FLIGHTS ドローンエージェント』様よりお借りし、検証しております。
この記事の目次
『Mavic 2 ZOOM』の基本性能
- 価格単品:162000円(税込)
- サイズ折りたたみ時:214✖︎84✖︎91mm
- 機体重量:約905g
- 最高時速:72km
- 伝送システム:Ocusync2.0
- 全方向障害物センサー
- 飛行時間:31分
- カメラセンサー:1/2.3インチセンサー
- 2倍光学ズーム
- 4倍デジタルズーム
- 映像画質①:4K30fps
- 映像画質②:1080p/120fps
- 画質:1200万画素
詳しいスペックについてDJIの公式サイトはこちら
Mavic2ZOOMの空撮動画
実際に『Mavic2ZOOM』で空撮した映像になります。
わかりやすいように、24〜48mmのズーム機能を多様しながら空撮してみました。
これまでのDJIドローンで空撮するだけでは、途中ズームイン・ズームアウトしながら撮影することができませんでした。
この『Mavic2ZOOM』から焦点距離を撮影しながら撮影することができますので、非常に空撮が面白くなりました。
実は超高画質の空撮写真が撮影できる
あまりピックアップしてきませんでしたが、実は空撮写真に限っていえば、Mavic 2 ZOOMを使うと4200万画素の超高画質で撮影することができます。
元々のスペックは1200万画素ですが、撮影機能で『パノラマ撮影』することで複数枚の写真を撮影し、合成することで超高解像度の空撮写真を撮影することができるのです。
写真を専門にしている方には非常に重宝する撮影機能と言えるでしょう。
動画で見る撮影時の注意点
上記動画は実際に超高解像のパノラマ写真を撮影している様子になります。
複数枚の写真を合成するため、特殊なカメラの動きをしますので、狙った構図で撮影するにはこのドローンの動きをしっかりと理解した上で撮影に臨む必要があります。
ちょっと手間ではあるので、気軽に一定レベルの高画質撮影をしたい場合は
- Phantom4Pro
- Mavic2PRO
以上のドローンがおすすめかもしれませんね。
写真でぼけ味が生まれる
Mavic2ZOOMで撮影した写真ですが、人にフォーカスを当てるか目の前のドローンにフォーカスするかでぼけ味をイカした写真を撮影することができます。
Mavic2ZOOMのレンズは『24mm〜48mm』
- 24mm:広角レンズ
- 48mm:標準レンズ
になります。
ちなみにこれまでのドローンやiPhoneなどのレンズはこんな感じです。
- phantom4 20mm
- phantom4Pro・advance 24mm
- MavicAIR 24mm
- SPARK 25mm
- Mavic PRO 28mm
- Mavic2ZOOM 24mm
- Mavic2PRO 28mm
- iPhone7 28mm
ご覧の通り、全て20mm代の『広角レンズ』になっております。
そのため今までより約2倍ズームした映像を撮影することができるのです。
『48mm』レンズは『人の視界に近い』
そこで有効活用が期待できるのがズーム機能になります。
総じてドローンのカメラレンズは広角レンズが多いですが、Mavic2ZOOMは最大で48mmにすることができます。
カメラの世界では50mmは『標準レンズ』と言われており、
『人間の視界の見え方に非常に近い』
と言われております。
焦点距離は、広角と望遠の中間です。
そのため48mmは望遠レンズとまではいきませんが、従来のドローンの約2倍寄った映像を撮影することができるのです。
ズーム機能があるとドローンの撮影はこう変わる!
ズーム機能を使うことで得られる効果はざっくり以下の2種類になります。
- 映像表現が増える
- ドローンの安全運用
の2つに分れます。
では実際に活用事例を見ながら紹介していきます。
活用法①|新しい映像表現
Mavic2ZOOMを使うと撮影段階でズームカメラを使うことができるため、今までになかった映像をドローンならではの空から撮影することができます。
ドローンそのものの移動に加え、カメラレンズのズーム・アウトを組み合わせて撮影することで新しい映像表現の世界が広がります。
その際たる例が次にご紹介する『ドリーズーム』になります。
活用法②|ドリーズームの活用
ドリーズームとは映画などの映像撮影技法のひとつで、対象となる被写体の大きさはそのままに周囲の風景がぐわ〜と接近してくるような不思議な映像です。
実際の動きとしては
- カメラは後ろに引く
- レンズはズームで寄っていく
という相反する動きがこの特殊な映像を作ってくれているのですが、非常に引き込まれてしまいますよね。
上記動画はクイックショットのアプリ編集になりますが、ドローンの操縦に慣れれば手動でドローンを引きながらレンズの焦点距離の変化でドリーズーム撮影することができます。
『Mavic2ZOOM』のチュートリアル動画
クイックショットのメニュー項目のひとつなので、簡単に撮影することができます。
ドリーズームを使った映画の動き
ドローンの映像ではありませんが、元々映画における撮影表現で特定の人物の驚きとその内面の感情を表現するようなシーンとして表現されることが多かったです。
従来のドローンでも『ドリーズーム』は可能!しかし・・・
これまでの空撮用ドローンでも映像編集することで『ドリーズーム』にすることは可能です。
しかし、『Mavic2ZOOM』の場合、ドローンと専用アプリ内で、自動的に『ドリーズーム編集』[/keikou]してくれることがすごいのです。
本当にDJIの機能はどうなっているんでしょうね。
活用法③|建築現場の記録写真
撮影した映像の質やカメラワークなどは求めず、『記録』として映像を残したい場合はありますよね。(それでも4K映像は撮影できてしまうのですが・・・)
近年、建築業務での記録写真や映像として、ドローンの活用事例が増えました。
ズーム機能で距離を調整することができるMavic2ZOOMは、コンパクトさも兼ね備えているため、現場へ持ち運ぶのに非常に便利です。
活用法④|インフラ設備の撮影
橋梁・鉄橋・ライト・道路などインフラ設備を撮影するときに使用できます。
こちらも従来のDJIのドローンのレンズが『24〜28mm』と広角レンズが多いため、被写体に必要以上に接近しなければ細部の映像を撮影することができませんでした。
Mavic2ZOOMのズーム機能を使うことで最大48mmの標準レンズクラスの距離になります。
そのため、被写体に近づきすぎることなく映像を撮影することができます。
さらにデジタルズームを使うことで最大4倍ズームにすることができます。
実際に『Mavic 2 ZOOM』を使ってみて、ズームレンズによる撮影が被写体から離れても有効に撮影できることに非常に感動しました。
余談|マトリス200『ZENMUS』は最大30倍のデジタルズームが可能
産業分野のドローンになりますが、産業用ドローンの『マトリス200』に積載できるカメラでは、工学30倍ズームで撮影することができます。
そのため、その場からフライトさせても約1km先の状況まで確認できてしまいます。
これは防災活用・点検業務など、安全運用上非常に重要な戦力となります。
https://drone-aerial-corps.com/2018/04/04/matrice200-2/
活用法⑤|イベント空撮
近年、不特定多数の人が集まるイベント上空での飛行が厳しくなりました。
- 飛行高度に応じた立ち入り禁止区域の設置
- 風速制限
などドローン空撮における自由度が下がったのです。
そのため、せっかくドローンで空撮をしても思った映像が撮影しにくいです。
ざっくりこんな制約がつきますが、なかなかいい映像を撮影することは難しいですね。
ズームレンズがあることで少しは映像に変化をつけることができるはずです。
https://drone-aerial-corps.com/2017/12/28/event-3/
まとめ|ズーム機能で新しい世界が広がる!
というわけで、新型Mavic2シリーズ『Mavic2ZOOM』について紹介させていただきました。
ドローンの活用事例は、映像分野を中心に様々な産業とも非常に親和性が強いです。
ズームレンズが加わることで、より安全により質の高い映像を撮影することができるようになりますね。
Mavic 2 シリーズのドローン開封〜初期設定レビュー
他にも様々な活用シーンについて、こちらにまとめておりますので何かヒントになれば幸いです。
ドローンのビジネス活用法
これからドローンが活躍できそうな分野をリサーチしてまとめてみました。
https://drone-aerial-corps.com/2018/08/08/hope/