オフカメラライティングの環境を構成するために、必要不可欠な機材の一つとなるワイヤレスフラッシュトリガー。
ライティング機材業界を何かと騒がせている『GODOX』
高機能高品質の機材として定評のある『GODOX』のワイヤレスフラッシュトリガーフラッグシップモデルとなるのが『XPro』です。
果たして製品は本当に使える機材なのか?
開封画像も含めながら徹底レビューしていきます!
『XPro』の基本スペック
製品名 | XPro-S |
発売元 | GODOX |
使用周波数 | 2.4GHz |
電源 | 単三電池×2本 |
ワイヤレスID | 1~99 |
グループ | 16 |
チャンネル | 32ch |
ハイスピードシンクロ | 対応 |
マルチ発光 | 対応 |
サイズ | 90mm×58mm |
重量 | 80g(バッテリー含まず) |
価格 | 8500円(税込) |
今回はSONY専用の『Xpro-S』を購入しました。
CannonやNikon対応のフラッシュトリガーもありますので、購入の際は注意してくださいね。
GODOX製の超高機能フラッシュトリガー『XPro』
メーカー各社に合わせたモデルで機材選びの幅が広がる
SONY | XPro-S |
---|---|
Canon | XPro-C |
Nikon | XPro-N |
PENTAX | XPro-P |
OLYMPUS、Panasonic | XPro-O |
FUJIFILM | XPro-F |
上記の表のようにメーカー各社に合わせたモデルがラインナップされています。
XPro-○に入る文字によってホットシューの形状が違いますので間違えて購入しない様に注意してください。
日本で売られているほとんどのメーカーのラインナップが揃っているのでホットシューさえあればメジャーなモデルのみではなく、自分のお気に入り機種で使用できるのもメリットのひとつですね。
GODOX独自の『Xシステム』搭載
定番となっている 『Xシステム』
2.4GHz 帯の周波数は障害物に強く電波も5GHz 帯と比べて遠くへ届く特徴があります。
中国製コマンダーの中には日本では認可されていない電波を使用しているものも見受けられますが、『Xシステム』は日本の技適マークも取得しているので電波法に引っかかることなく日本でも安心して使用することができます。
またワイヤレス ID 登録は1から99まで、グループは16個、チャンネルは32チャンネルから選択することができるので人が多い場所や、他のカメラマンが多い撮影会などで使用する場合も電波干渉が起こることなくライティングすることができるのでトラブルの防止ににも繋がります。
HSS(ハイスピードシンクロ)やマルチ発光も使える
他社製品では高価格帯製品にしかついていないハイスピードシンクロやマルチ発光などの機能も付いています。
それぞれ日中の撮影やアーティスティックな写真を撮りたい時にとても重宝する機能なのでこれはとてもありがたいです。
ライティング初心者の方最初は不要だと思われがちですが、スキルが上がっていくにつれて必要となってくる機能なのでそれが最初から備わっているのはありがたいですね。
特にハイスピードシンクロは様々な場面で必要となってくる場合が多いのでなるべく対応しているモデルを購入することをお勧めします 。
AF補助光が本体に付いている
見落とされがちな点ですが『XPro』本体に「AF補助光」の発光部がついています。
高い位置に AF 補助光があることによって大口径レンズをつけてもAF補助光を遮ることなく暗所での撮影でもしっかりと被写体に補助光が当たり、より精度の高いピントでオートフォーカスを作動させることができます。
なかなかフラッシュトリガー本体に「AF補助光」の発光部がついているモデルは少ないのでこれは『XPro』独自のメリットだと言えますね。
TMC転送機
これは『TTL-Convert-Manual』の略称で直前に TTL モードで撮影したあとこのボタンを押すだけで各ストロボの発光量をマニュアルに変えてくれます 。
この機能によって最初の一枚だけを「TTLモード」で撮影し、その後マニュアルで自分好みの発光量に調節することができます。
多灯ライティングの場合は一つ一つの発光量を調節するのが難しいですが、この機能を使えば簡単に平均的な露出の多灯ライティング環境を作ることができます。
また写真にオリジナリティを出したい場合はこの機能を使用して平均的な発光量に調整後、各ストロボの発光量を調整するとより早く安定した設定を出すことができるのでライティングが初めての方にもおすすめの機能です。
高機能なのにとにかくリーズナブル
ここまで様々な機能は付いていて価格は『Xpro』とGODOXの代表的なストロボの『TT600』を購入してもミドルクラスの純正ストロボ一つ買うよりリーズナブルな価格。
性能面でも全く引けを取らない、もしくは勝っている点も多いように感じます。
安かろう悪かろうの時代は終わりました。
ライティングに興味を持った初心者の方でも買いやすい良心的な価格設定でとても好感を持てます。
Xpro開封レビュー
今回の開封レビューの写真は全てNikon D800E に『Xpro』を取り付けストロボは『TT600』を使用して撮影いたしました。
注文後翌日に到着
Amazon で注文を後翌日に到着しました。
スピーディーな発送は万が一機材の故障やトラブルがあった時にはとても安心です。
商品はしっかりと 緩衝材にて梱包されておりAmazon外箱もダメージなく到着しました。
ワクワクするパッケージデザイン
今回は SONY 用の『XPro』を購入したので X PRO の後にSony用を表す『S』 がついているパッケージ。
ニコン用も所有しているのですがニコン用も同じく『XPro』の後に 『N』 がついたパッケージでした。
外箱に大きなダメージもなく綺麗な状態で届いて一安心。
一昔前の中国製品はこの辺りがひどかったのですが本当に近年はひどい配送事故は無くなりましたね。
いざ開封
開封してみると商品が中で暴れないようにプラスチック守られており商品もとても綺麗な状態でした。
液晶面にもフィルムが貼ってあり傷やドット飛び等もありません。
ホットシューカバーまで付いており商品管理が徹底されている印象を受けました。
日本語の取扱説明書も同封
取扱説明書は二つ入っており 中国語 英語 日本語 3言語での取扱説明書が同封されていました。
海外製品でしっかりとした日本語の取扱説明書がついているものはこの価格帯では本当に少ないのでありがたいです。
本体自体は直感的に操作できますがいざという時に日本語だと安心できます。
保証書も中国語のものと日本語のもの二つ入っており各部の保証期間についての説明が記載されていました。
実際にカメラにつけてみた
手持ちの「Sony α7ⅱ」に取り付けてみました。
専用モデルではないのですがボディやレンズに干渉等もなく、心配だったファインダーを覗いた際に額に当たることもなく快適に使用できそうでした。
使用する際は本体の落下を防ぐために必ずホットシュー側についているリングを閉めておきましょう。
こうすることでカメラ側とスリーブ側がしっかりと固定されます。
電源は単三を2本
本体裏側にあるスライド式のフタを外し単三電池を2本入れてください。
充電式の電池だとバッテリー残量がうまく表示されない場合がありますのでアルカリ電池の使用をお勧めします。
側面についている下側のボタンをスライドさせると電源が入ります。
上側のボタンは AF 補助光のon offスイッチです
チャンネルの選択
まず『XPro』を起動したらチャンネルの選択を行いましょう。
電源を入れた時にZm/CH記載のある下のボタンを長押しすると液晶上部のCHのマークの色が変わります。
そしてセンターのダイヤルを回してストロボ側に設定したチャンネルと同じチャンネルを選択してください。
選択後ダイヤルの中心にあるSETボタンを押せば完了です。
ストロボの機種によっては「ID」を設定できる機種もあるので必要であればそちらも設定してください。
ストロボパワーの設定
チャンネルの設定が終われば後はストロボパワーの設定をしていきましょう。
A から E までのアルファベットの左横のボタンを押してください。
そうすると選択したアルファベットの横の数字の色が変わります。
モードボタンを押せば TTL マニュアル OFF の3種類の機能が選択できます。
「TTL」「マニュアル」共にセンターのダイヤルを右回転でプラス補正、左回転でマイナス補正ができます。
ハイスピードシンクロの設定
ハイスピードシンクロを使用する場合は液晶下部にある「SYNC」マークの下のボタンを押してください。
そうすると画面上部に『H』のマークが表示されます。
この状態でカメラ側のシャッタースピードを調整することでハイスピードシンクロが可能になります。
使用してみた感想
ライティング環境の『手間』が確実に減った
私は SONY 対応モデルとニコン対応モデルの両方を使用しておりますが、使い方が同じなので以前純正コマンダーを使っていた時のように使い方で困ることはかなり減りました。
またストロボも同じものを使用できるのでガイドナンバーの設定の感覚を統一することによって、直感的にライティング環境を構築することができるようになりました。
私のように別々のメーカーのカメラを同じ現場に持っていくカメラマンは、純正のオフカメラライティングの環境を構築するのに今までは、カメラを変えれば全てライティング機材も変えなければなりませんでしたが『XPro』を使うようになってからはその手間もなくなりました。
いままでの『常識』を覆す価格
今までの純正コマンダーとの価格差が大きすぎて正直そこまで期待はしていなかったのですが、スレーブ信号の反応もとても良好でストロボ側のチャージが終わっていればほぼ確実に発光することに驚きました。
エントリーモデルの価格帯でハイエンドモデルに匹敵するパフォーマンスこの製品の最大の『売り』だと思います。
ファームウェアのアップデートで今後にも期待
この X PRO にはファームウェアのアップデート機能がついています。
カメラメーカーも続々と新機種を発表している中で新機種にも対応できるようにファームウェアのアップデート機能をつけているのはとても好感が持てます。
不具合を改善やパフォーマンスより進化させるアップデートのサポート体制に今後も期待できそうです 。